重症筋無力症なのに糖尿病なの?

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重症筋無力症(MG)と糖尿病という、一見異なる疾患を抱えることに疑問を感じる方も多いかもしれません。

重症筋無力症は自己免疫疾患であり、神経と筋肉の間の信号伝達が障害されることで筋肉の疲労感や脱力が生じる病気です。

一方、糖尿病は血糖値が高くなり、長期にわたって血管や臓器に負担をかける代謝性疾患です。

この二つの疾患にどのような関係があるのか、そして重症筋無力症を抱える方がなぜ糖尿病リスクも高まるのかについて、本記事で詳しく解説していきます。

重症筋無力症は主に自己免疫による神経伝達の障害に起因し、糖尿病は血糖コントロールの異常が主な特徴ですが、両者が併存するケースも多々見られます。

この記事では、重症筋無力症と代謝性疾患の関係や、血糖管理における重要な指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)、そしてステロイド療法がどのように糖尿病の発症や悪化に影響を与えるのかについて深掘りしていきます。

生活習慣病のかかりつけ医で糖尿病の薬が出ました

私の場合、重症筋無力症と診断が出る前に高血圧と糖尿病の治療で生活習慣病のかかりつけの内科医と心房細動でカテーテルアブレーションを受けた循環器内科医にかかっていました。

MGの治療でステロイドパルスの治療で入院していましたが、退院してから内科医の受診日が来たので受診しました。

内科医には、重症筋無力症になったことと、ステロイドパルスの治療で入院したことを伝えて、現在服用している薬も説明しました。

高血圧の方は、20年近く薬を飲んでいますが、糖尿病については健康診断で指摘を受けてから4年ほど治療を受けていました。

ただし、糖尿病の方は血糖値とヘモグロビンA1cは規定の範囲内から多少飛び出るところを行ったり来たりしていたので、インスリン注射とか服薬には至っていませんでした。

でもですよ!

今回は、血糖値が200で、ヘモグロビンA1cが7.7と今までよりも高い数値だったのでやばいと思ったんですけど、案の定お薬が出てしまいました。

一応、インスリン注射と服薬とどっちがいい?と聞かれたので、管理の楽な服薬を選びました。

いただいたお薬は、「トラゼンタ錠5mg」で朝1錠飲みます。

血圧の方は、退院後は多少のブレはあるものの安定しているので、現在服薬中の「コディオ配合錠EX」と「アテレック錠10mg」を朝1錠を継続となりました。

昨年心臓のカテーテルアブレーションを受けてから、常用薬がどんどん増えてきて重症筋無力症の薬と合わせて、朝10錠と夜3錠と薬コレクターみたいになってます。

重症筋無力症と代謝性疾患の関係について

今回、糖尿病の薬を服用するようになった背景には、重症筋無力症の影響が大きいと考えられます。

重症筋無力症は免疫系の異常によって生じる自己免疫疾患です。

特に神経筋接合部という、神経から筋肉への信号伝達が行われる部分で、アセチルコリン受容体を攻撃する自己抗体が生成されることで筋肉の働きが阻害されます。

これにより、特に筋力低下や疲労感が症状として現れます。

このような自己免疫疾患は、他の自己免疫性疾患や代謝性疾患と併存しやすい傾向にあります。

重症筋無力症と代謝性疾患の関係

代謝性疾患には糖尿病や脂質異常症が含まれ、これらがMG患者にとって重要となるのは、治療において使用されるステロイドなどの免疫抑制剤が糖代謝に影響を与えるためです。

特にステロイドは炎症抑制効果が高く、MGの症状を和らげるのに有用ですが、長期にわたるステロイド療法は糖代謝に異常を引き起こすリスクがあります。

ステロイドは肝臓においてグルコース生成を促進する作用があり、これがインスリンの効き目を低下させ、糖尿病リスクを増大させる要因となります。

また、MG患者は日常生活において身体活動が制限されることが多く、運動不足や体重増加により糖代謝の異常がさらに進行する恐れがあります。

このため、MGの治療においては、代謝性疾患のリスク管理が非常に重要です。

具体的には、血糖や脂質の定期的なモニタリングを行い、異常が認められた場合には早期に対応することが推奨されます。

また、MGの症状による疲労感や体力低下も糖代謝に影響を及ぼすことがあります。

体が疲れていると食生活が乱れがちになり、血糖値が不安定になることもあるため、日常生活のリズムを整えることも大切です。

血糖値よりもヘモグロビンA1c(HbA1c)重視?

今回、生活習慣病のかかりつけの内科医と話していた中で、血糖値よりもヘモグロビンA1cの値のほうが大事という話が出ました。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)重視の理由

糖尿病の管理では、血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)の両方が重要な指標となりますが、それぞれ役割が異なります。

血糖値は短期的な血糖の変動を示し、直近の食事や運動の影響を強く受けやすいため、1日の中でも大きく変動します。

これに対して、HbA1cは過去2~3ヶ月の平均血糖値を反映しており、長期間の血糖コントロールの評価に使用されます。

そのため、糖尿病の診断や治療方針の決定には、HbA1cの測定が重視されます。

特にMGのように慢性的な疾患を抱えている患者においては、日常的な血糖の変動を把握することも重要ですが、長期的な血糖管理が糖尿病性合併症の予防において非常に重要となります。

糖尿病は、長期間にわたって血糖値が高い状態が続くと、目や腎臓、神経、血管に悪影響を及ぼす可能性があります。

したがって、HbA1cを重視して安定した血糖コントロールを行うことが推奨されます。

ただし、MGやステロイド治療の影響で食事のタイミングや内容が制限される場合、日常的な血糖値の測定も同様に大切です。

血糖値の測定は、食後の急激な血糖上昇や低血糖のリスクを予測し、食事療法や運動療法の改善に役立ちます。

特にHbA1cだけでは見逃しがちな急激な血糖値の変動を把握するために、血糖値とHbA1cの両方を管理することが重要です。

こうした管理を行うことで、MGと糖尿病の両方の病態を効果的にコントロールし、QOL(生活の質)を維持することが目指されます。

まとめ

重症筋無力症と糖尿病の併存は、治療や生活において複数の要因を考慮する必要があるため、困難な課題です。

重症筋無力症の治療にステロイドなどの免疫抑制剤が使用されることで、糖尿病や代謝性疾患が引き起こされるリスクが高まります。

そのため、医療チームと連携して、代謝性疾患の管理を行うことが不可欠です。

日常的な血糖値の測定に加えて、HbA1cを重視した長期的な血糖管理が重要です。

MGと糖尿病の併存症を抱えている場合、生活の質を維持するためには、継続的な医療サポートとセルフケアの取り組みが必要です。

ステロイドの投与量や投与期間を最小限に抑えながら、体調管理や食生活の改善、適度な運動を取り入れることで、症状の進行を抑え、より良い生活を送ることができるでしょう。

MGと糖尿病の併存に悩んでいる方には、専門医に相談しながら、効果的な治療法と生活習慣の改善に努めることが推奨されます。

自己免疫疾患や代謝性疾患に関する知識を深め、日々の生活の質を向上させるために、正しい理解と適切な医療サポートを受けることが大切です。

とはいえ、毎日毎日飲む薬がたったの2錠から13錠に増えてしまうと、うんざりしちゃいますね。

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