重症筋無力症ステロイドパルス入院治療(1クール目)

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重症筋無力症と診断されて、初めての入院で初めて受けるステロイドパルス療法。

今後、再びステロイドパルス療法を受ける可能性もあり得るので、忘備録として残しておきます。

ステロイドパルス療法とは

ステロイドパルス療法は、主に免疫系の疾患に対して行われる治療法で、重症筋無力症の治療にも使用されます。

これは高用量のステロイド(副腎皮質ホルモン)を短期間(通常は3日間程度)に点滴静注する方法です。

具体的には、メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)といったステロイドを大量に投与し、強力に炎症や免疫反応を抑えることを目的とします。

ステロイドの効果は免疫系の抑制や炎症の軽減にあり、重症筋無力症では自己免疫反応が神経と筋肉の接合部に影響を及ぼすことから、この反応を抑制するために使用されます。

この治療することで、症状の急速な改善を期待できる場合があります。

ステロイドパルス療法の副作用とは

この治療では、ステロイドの高用量と短期間の投与が特徴であるため、長期的な使用による副作用とは異なるものもあります。

以下に主な副作用を挙げます。

  1. 血糖値の上昇
    ステロイドは糖代謝に影響を与えるため、血糖値が上がることがあります。
    糖尿病の患者では特に注意が必要です。
  2. 感染症のリスク増加
    免疫抑制作用により、体の防御機能が低下するため、感染症にかかりやすくなります。
    通常よりも注意深い感染症対策が必要です。
  3. 胃腸障害
    胃潰瘍や消化管出血のリスクが増すことがあります。
    これを予防するために、制酸剤などを併用することがあります。
  4. 精神神経症状
    不安、うつ、躁状態、混乱、幻覚などの精神的な副作用が現れることがあります。
  5. 高血圧
    ステロイド投与によって水分と塩分の貯留が起こりやすくなり、血圧が上昇する可能性があります。
  6. 骨粗鬆症
    長期的なステロイド使用では骨密度の低下が起こりやすくなります。
    そのため短期間のパルス療法でも骨代謝に影響を及ぼすことがあります。
  7. 体液貯留
    顔がむくむ、体重が一時的に増えるといった症状が出ることがあります。

ステロイドパルス入院治療の1クール目

重症筋無力症の治療のために1回目の入院で行った、ステロイドパルス療法の1クール目の忘備録です。

血糖値が200を超えるとインスリン注射があります。

ただし就寝前は血糖値が200を超えてもインスリン注射はありません。

1日目

10月3日(木)ステロイドパルス療法1日目

ステロイドパルス療法の1クール目が始まる。

  • 血圧:128/82
  • 脈拍:63
  • 体温:36..2
  • 体重:76.1
  • 血糖値:(朝食前)114(昼食前)164(夕食前)243(就寝前)374
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:良眠
  • 排便:あり

初めての治療なので、朝からドキドキして待っていましたが始まったのは12時少し前でした。

初日なので、通常1時間でステロイド1g投与のところ2時間にセットされました。

点滴は、250mlの生理食塩水に1000mgのステロイドを混合して行われます。

点滴中に昼食となりましたが、普段通りにいただきました。

この日は、特に変わった変化は見られませんでした。

2日目

10月4日(金)ステロイドパルス療法2日目

  • 血圧:147/86
  • 脈拍:72
  • 体温:36.1
  • 体重:76.7
  • 血糖値:(朝食前)174(昼食前)240(夕食前)297(就寝前)328
  • 頭痛:朝強めの頭痛
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり

昨夜消灯時に入眠剤が支給されたのでよく眠れました。

ただし強めの頭痛が起きているので、念の為CT検査。

11時からステロイドパルス療法で1時間でステロイド投与。

本日気になったこと。

  • 食事中のむせ込みが減った気がした
  • ペットボトルの蓋が開けやすくなった
  • まぶたが下がって見えにくいせいか、幻影のような影のようなものが見える気がする

ということを感じた。

3日目

10月5日(土)ステロイドパルス療法3日目

  • 血圧:139/87
  • 脈拍:60
  • 体温:35.9
  • 体重:77.0
  • 血糖値:(朝食前)189(昼食前)310(夕食前)338(就寝前)308
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:入眠剤使用も不眠
  • 排便:あり

昨夜は、全くと言っていいほど眠れなかった。

それ以外に

  • むせこみは明らかに減っている
  • 歯茎がかなり落ちたのか下の前歯の裏に歯の角と歯茎との段差ができて、舌が引っかかる

という変化が起きているが、瞼の垂れ下がりに変化は感じられないでいます。

4日目

10月6日(日)クールダウン1日目

  • 血圧:140/85
  • 脈拍:57
  • 体温:36.3
  • 体重:77.4
  • 血糖値:(朝食前)198(昼食前)242(夕食前)229(就寝前)230
  • 頭痛:0~2(最大10)
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり

本日から、ステロイド内服のみに戻りクールダウン期間に入る。

  • 食べ物でのむせこみは減少しているが、水分摂取時のむせこみは変わっていない
  • 朝方は瞼がだいぶ開いているが、だんだんもとに戻っていく
  • 幻影が見える状態は変わらず、カーテンの模様が文字に見えたりもする
  • 顔がぼやっとしている
  • 夕方から両腕にだるさを感じるが、指先には力が入る

というように、変化が色々見られる。

5日目

10月7日(月)クールダウン2日目

  • 血圧:152/90
  • 脈拍:56
  • 体温:36.2
  • 体重:76.5
  • 血糖値:(朝食前)120(昼食前)224(夕食前)161(就寝前)192
  • 頭痛:0~2
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり

本日は、一時的に全身の脱力が強めに出て動きにくくなった。

  • 起床時は目がしっかり開いている感じはあるが、まだ眉で無理に引き上げられている感じもある
  • 両腕に力が入りにくく、指に軽いしびれのようなものを感じる

といった様子でした。

6日目

10月8日(火)クールダウン3日目

  • 血圧:131/80
  • 脈拍:56
  • 体温:36.1
  • 体重:75.0
  • 血糖値:(朝食前)126(昼食前)133(夕食前)148(就寝前)206
  • 頭痛:0~1
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:なしで強い腹痛あり

今日は、排便がなく日中猛烈な腹痛を感じてナースコールを押しました。

しばらく悶えていると、ガスが出て落ち着きました。

  • 起床時から、瞼がしっかり開いていました
  • 両腕に脱力感が少しあり指先に少ししびれを感じる

この日くらいから、瞼がしっかりと開くようになってきました。

7日目

10月9日(水)クールダウン4日目

  • 血圧:112/77
  • 脈拍:66
  • 体温:36.3
  • 体重:73.9
  • 血糖値:(朝食前)126(昼食前)244(夕食前)145(就寝前)223
  • 頭痛:0~1
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり

この日も

  • 起床時から、瞼はしっかり開いています
  • 両腕と指先に少々の脱力感を感じている

といった様子で、目はしっかり開くが手の脱力感は残るという状態が続いています。

明日から、ステロイドパルス療法の2クール目が始まります。

まとめ

ステロイドパルス療法が始まったので、治療中の様子を忘備録的に残しています。

この治療自体、私にとってははじめの治療で、どのような変化や副作用が起きるかは未知の世界でした。

重症筋無力症の症状の出方は人によって違うものですから、私の記録が参考になるかどうかはわかりませんが、一つの目安として見ていただけると嬉しいです。

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