重症筋無力症ステロイドパルス入院療法(2クール目)

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重症筋無力症になり、治療のための入院も3週間目になります。

ステロイドパルス療法の1クール目の終わり頃から、眼瞼下垂の症状に大きな変化が現れ始めていました。

ステロイドパルス療法の2クール目を行うことで、より確実に眼瞼下垂の改善が見られることを期待しています。

重症筋無力症の治療方法について

重症筋無力症(MG)の治療には、病気の進行を抑えることや症状を改善することを目的とした多様な治療法が存在します。

以下、具体的な治療方法とステロイドパルス療法が向いている症状について説明します。

重症筋無力症の治療方法

MGの治療には以下のような方法が用いられます

  • 薬物療法
    • 抗コリンエステラーゼ薬:ピリドスチグミン(メスチノン)などが用いられ、神経と筋肉の接合部で神経伝達を改善する効果があります。特に軽度から中等度の症状に対して有効です。
    • 免疫抑制薬:プレドニゾロン、シクロスポリン、アザチオプリンなどがあり、免疫系の過剰な反応を抑えて症状を軽減します。
    • ステロイド薬:プレドニゾロンなどのステロイド薬が使われることがあり、炎症を抑える効果があります。
  • 血液浄化療法
    • 血漿交換療法:血液中の自己抗体を取り除くために行います。重症な筋無力症の急性増悪時に有効です。
    • 免疫グロブリン療法(IVIG):高濃度の免疫グロブリンを点滴で投与し、免疫系を調整します。急性増悪時や手術前後の準備に利用されます。
  • 手術療法
    • 胸腺摘除術:MGの一部の患者では胸腺異常が認められ、胸腺摘除によって症状が改善することがあります。特に胸腺腫を伴う場合に適応されます。
  • リハビリテーション
    • 運動療法や生活習慣の指導を通じて筋力の低下を防ぐためのリハビリテーションも重要です。

ステロイドパルス療法が向いている症状

ステロイドパルス療法は、大量のステロイドを短期間に投与する治療法で、特に急激な症状悪化に対して迅速に効果を発揮することが期待されます。

以下のような場合に有効です

  • 重度の筋無力症クリーゼ:急激に症状が悪化し、呼吸筋の麻痺や嚥下困難を引き起こす場合に、ステロイドパルス療法は迅速な効果が期待されます。
  • 通常のステロイド治療に対する反応が不十分な場合:標準的なステロイド投与で十分な改善が見られない場合に、パルス療法が行われることがあります。
  • 手術後や重篤な感染症の合併による急性増悪:特定のストレスがきっかけで症状が悪化した場合に、迅速に症状を改善するためにパルス療法が選択されます。

ただし、ステロイドパルス療法は副作用のリスクが高いため、慎重に適応を判断し、治療期間中は副作用の管理が重要です。

重症筋無力症ステロイドパルス療法の2クール目

私の場合は、1クール目の終わりの方になって瞼の垂れ下がりが解消されるというはっきりとした成果が現れました。

これを確実なものにするためにも、2クール目の治療を行うことになりました。

血糖値が200を超えるとインスリン注射があります。

ただし就寝前は血糖値が200を超えてもインスリン注射はありません。

ステロイドパルス療法1日目

10月10日(木)ステロイドパルス投入1日目

  • 血圧:125/80
  • 脈拍:66
  • 体温:36.0
  • 体重:73.3
  • 血糖値:(朝食前)138(昼食前)234(夕食前)362(就寝前)398
  • 頭痛:0~1
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり
  • まぶた:よく開いている

2クール目の初日は、1クール目と同じように特別な変調は起きません。

とはいえ、11時からの投入後は血糖値の上昇が顕著になっています。

ステロイドパルス療法2日目

10月11日(金)ステロイドパルス投入2日目

  • 血圧:106/68
  • 脈拍:71
  • 体温:36.1
  • 体重:75.1
  • 血糖値:(朝食前)204(昼食前)312(夕食前)275(就寝前)402
  • 頭痛:0~1
  • 睡眠:入眠剤使用ながらやや不眠
  • 排便:少量のみ
  • まぶた:よく開いている

血糖値は、終日高めで毎食時にインスリン注射となっています。

排便量が少ないこと以外に、不調はありません。

ステロイドパルス療法3日目

10月12日(土)ステロイドパルス投入3日目

  • 血圧:112/65
  • 脈拍:65
  • 体温:36.3
  • 体重:75.1
  • 血糖値:(朝食前)223(昼食前)320(夕食前)349(就寝前)377
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:あり
  • まぶた:よく開いている

本日も血糖値は終日高めで、毎食前にインスリンを注射しています。

両腕から指先にかけてシビレのような不快感があります。

ステロイドパルス療法4日目

10月13日(日)クールダウン1日目

  • 血圧:119/75
  • 脈拍:57
  • 体温:36.0
  • 体重:74.8
  • 血糖値:(朝食前)227(昼食前)265(夕食前)270(就寝前)258
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:入眠剤使用ながらほぼ不眠
  • 排便:あり
  • まぶた:よく開いている
  • 脱力:両腕にややあり指先にしびれ感

数値的には下がり始めていますが、終日血糖値は高めで毎食前にインスリン注射。

昨夜は、ほぼ一睡もできてません。

ステロイドパルス療法5日目

10月14日(月)クールダウン2日目

  • 血圧:119/68
  • 脈拍:61
  • 体温:36.1
  • 体重:73.6
  • 血糖値:(朝食前)144(昼食前)214(夕食前)185(就寝前)279
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:快便のちに軟便
  • まぶた:よく開いている
  • 脱力:両腕にしびれ感強いので腕に湿布

血糖値はかなり下がってきて、インスリン注射は夕食前のみ。

排便が、2回目以降やや軟便になる。

ステロイドパルス療法6日目

10月15日(火)クールダウン3日目

  • 血圧:135/85
  • 脈拍:61
  • 体温:35.6
  • 体重:72.7
  • 血糖値:(朝食前)137(昼食前)136(夕食前)165(就寝前)266
  • 頭痛:なし
  • 睡眠:入眠剤使用で良眠
  • 排便:快便のちに軟便
  • まぶた:よく開いている
  • 脱力:両腕から指先に軽い脱力感

祭日が終わり、主治医によるQMGスコアやADLスケールの検査が行われ、入院時との比較が行われました。

血液検査や腹部エコー検査も行われました。

夕方、主治医から経過は良好で問題はないために、翌日の退院の許可が降りました。

ステロイドパルス療法7日目

10月16日(水)クールダウン4日目

退院が決まっているため、諸々の測定は無しで朝食後は看護師から退院手順について説明がありました。

主治医からは、外来受診の日程の相談があり次回の予約を取りました。

当面の心配事については

  • 日常生活の注意点は:グレープフルーツは厳禁です。
  • インフルエンザやコロナなどのワクチン注射:受けていいです。
  • 仕事復帰は:問題ないので体調を見ながら職場と相談してください。必要なら診断書書きます。
  • 運転は大丈夫ですか:問題ありません。
  • 具合が急変したら:外来に電話して受診日の変更してください。
  • 飲酒は:厳禁です。
  • 喫煙は:この病気の場合、脳梗塞などと違って自主判断でいいです。

というような具合で確認しました。

また、重症筋無力症と判定される元になった抗アセチルコリン受容体抗体の数値に変化はあったのかという疑問について主治医に聞いてみました。

数値の変化自体は目安にしか過ぎないので、あまり気にしても仕方ないです。

でも次回受診時に測定してみましょう。

ということで、23日間にわたる入院生活は終わり、開放されました。

まとめ

最初に外来の医師から言われた入院期間は、「最短5日でまあ10日くらいですかねぇ」を軽く超えて、結局23日間も入院生活を送りました。

正直長かったです。

それでも、ステロイドパルス療法を受けたことにより、眼瞼下垂の症状は見事に改善されて、瞼はスッキリとして、目は完全に開いています。

視界も良好で世の中が明るくなったように感じます。

仕事は、介護職ですが長きにわたり休んだので、会社や同僚にも迷惑をかけています。

とはいえ3週間の入院でなまった体は、徐々に慣らしていく必要があります。

また、あまり疲れさせると筋肉から力が抜けたようになるので、焦りは禁物です。

重症筋無力症の初期症状は治療により治まってはいますが完治するわけではないので、これから長い付き合いをしていくようになります。

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